
株式会社ポップティーン 鈴木篤史様
2022年7月26日に「Popteen真夏のリアコ祭 / Cuugalファン感謝祭」が開催され、ステージイベントがTig LIVEで配信されました。
今回は、イベント主催者である株式会社ポップティーン の鈴木様に、ライブ配信の実現に至った経緯や振り返っての感想、ライブ配信に関する今後の展望について尋ねた模様をお届けします。
リアルイベントでライブ配信を検討されている方には必読の内容となっておりますので、ぜひご覧ください!
INDEX
イベントDXの推進と、新しい挑戦へのメンバーの先入観打破が課題
――イベント前に抱えていた課題をお聞かせください。
イベント前に抱えていた課題はイベントのDXです。そもそも、コロナ禍でリアルイベントを大々的に開催できるのか。そして、リアルイベントを開催してもお客様は集まるのかといった不安を感じていました。
行動制限があるなか私たちにあったのは、多くのお客様に安心してご参加いただける方法を提供したいという思いです。ライブ配信なら行動制限の影響を受けず感染の心配もなく多くの人が参加できるので、半ば強制的にでもイベントのDXを推進する必要があると感じていました。
一方で、我々は雑誌という伝統的なメディアを扱ってきただけに社内では「ライブ配信」が新しすぎて具体的なイメージを持てない人が多かったことも挙げられます。
その結果、「オンラインでライブ配信すると、リアルイベントの来場者数が減少するのではないか」という意見も出てきました。
会場での参加からオンラインでの参加に切り替えるお客様が出るのではないかと、不安を感じていたようです。ライブ配信という新たな領域に弊社がチャレンジするためにも、この先入観を打破する必要がありました。
懐疑論を突破するには「決断」と「実行」しかない。まずはやってみる!
――ライブ配信への懐疑的な社内意見がある中、どのようにしてライブ配信実現に至ったかをお聞かせください。
ライブ配信の実現に向けて踏み出せたのは、
新たなことに挑戦するには、誰かが周囲に説明しながらリーダーシップを取って『やってみる』の精神で実行するしかない。
と感じたからです。
ライブ配信のように今まで経験したことがないものは、懐疑論や拒否反応があって当然だと思います。
しかし、新しいことを始めるには、多少強引でも実際にやってみて、手応えをもって可能性を見出すやり方も重要だと思うんです。
あとは単純に、あらゆる業界がコロナ禍での集客に苦戦するなか「Tig LIVEを使って配信する新たな取り組みは楽しそうだ」と感じました。 「Popteenが面白い取り組みをしている」という打ち出し方もできるので、最終的には「ライブ配信を実現させるべきだ」との結論に至りました。
ライブ配信は諸事情で会場に来れない方も参加でき、集客に寄与できると予想
――「ライブ配信すると来場者数が減少する」という不安は払拭できたのでしょうか?
まず大前提として、ライブ配信の有無に関わらず、リアルイベントに参加したい人は来場すると考えています。
それよりも、諸事情で会場に足を運べなかった人が、オンラインのライブ配信なら参加できるというメリットに魅力を感じました。
たとえば、感染症を恐れてリアル参加を控える人や遠方に住んでいる人も、ライブ配信であれば手元のデバイスから気軽にイベントを視聴できます。
加えて、「ライブ配信はライトユーザー層に対しても訴求できるのではないか」と感じたんです。
似たような例を挙げると、映画館に行くことはないけれど、動画配信サービスなら映画を観る人が一定数いますよね。同様に、会場に行くほどではないけれど、ライブ配信ならイベントを視聴したいという人が一定数いるのではないかと考えました。
結果は約13,000人のライブ視聴者数に。
海外からの視聴もあり物理的な参加の障壁を打破でき、更なる展開の可能性を感じる
――実際にライブ配信を実施してみてどうでしたか?
ライブ配信が終わったあとは、非常にいい手応えを感じました。会場での参加者が1,000人程度だったのに対し、ライブ配信の視聴者数は約13,000人。コロナ禍でなかったとしても、13,000人を収容できる会場でのイベントは絶対にやらないと思います。しかし、ライブ配信であればPopteenのステージイベントを大勢の方に視聴していただけることがわかりました。
ライブ配信を実施して感じたメリットは、物理的な参加の障壁を打破できることです。リアルイベントを開催する場合、来場客数に制限がかかると、どうしても集められる人数が限られてしまいます。
一方で、ライブ配信のデジタル技術を活用すると、極端な話、地球の裏側からでも参加できる。弊社の営業メンバーや視聴者に対しても、ライブ配信なら時間や場所の制約を飛び越えられるというイメージを植え付けることができました。
伝統的なメディアを扱ってきた我々のような企業でも、実際にやってみることで社内のイメージは変えられるということですね。
弊社に限らず、「経験したことがないものは実行しづらい」という課題を持たれている企業は多いと思います。実行しなければ先入観による反論が出てきてしまいますが、やりきることで懐疑論を覆せるいい事例になりました。

ライブ配信後にパロニムさんが分析したデータによると、今回のライブ配信では海外からも100名以上の方が視聴してくださったようです。地域もさまざまで、台湾や香港などのアジア圏やアメリカ、オーストラリア、東南アジアからの視聴者もいました。
さらに今後は、ライブ配信でも有料コンテンツの扱いができると、新たなマネタイズ手法を生み出せると思っています。たとえば、無料で視聴できる範囲を設定し、課金者限定のプレミア感を演出するイメージですね。
一方で、今回のライブ配信がすべてうまくいったわけではなく、告知方法に課題が残りました。それは、新たな取り組みにチャレンジするなかで準備にバタついてしまい、告知がギリギリになってしまったことです。今後ライブ配信を実施する際は、SNSを活用したプロモーションなどをもう少し計画的に進めたいですね。うまく告知できれば、20,000人、30,000人が視聴するイベントも開催できると感じています。
「Tig LIVE」のユニークさがこれまでにないイベントの形を生み出す
――ステージイベントを「Tig LIVE」で配信したことについて、社外からの反応はいかがでしたか。
とある企業の担当者から、「Tig LIVEを使ったサービスやイベントを考えたい」と相談が届きました。 Tig LIVEは、商品情報ページやクーポン、予約ページなどへ誘導ができるインタラクティブ機能があり、他のライブ配信ツールとは違う取り組みができる、これまでにないイベントの形を検討する企業が増えてくるのではと思います。

▲「Tig LIVE」で購入の導線を作るイメージ
また、今回のライブ配信をきっかけに、新たな展開がありました。Tig LIVEのユニークさもあってか、協賛企業やスポンサーさんも「またライブ配信をやってみたい」と感じてくださったようです。実際に、あるアパレル企業様からイベント直後に「すごく面白かったです。今度なにか一緒にできませんか?」とお誘いを受けました。
それと、Tig LIVEは購入の導線が作れるだけではなく、案内やアンケート調査、タップ率の分析などができるのもいいですね。アンケートでファンに質問をぶつけられるのも面白い仕組みだと思います。特にライブではその場でしか生まれない声や臨場感などが重要ですから、運営側だけでなくファンにとってもメリットがあるのではないでしょうか。
今後はファンコミュニケーションの新しいあり方として「Tig LIVE」を活用していきたい
――最後にライブ配信に関する今後の展望をお聞かせください。
ニューノーマルなイベントの姿として、Tig LIVEのようなライブ配信がスタンダードになっていくと感じています。リアルイベントで集められる人数には制限がありますが、デジタルの空間上では規模の拡大に制限はありませんからね。
協賛企業やスポンサーさんからしても、数万人規模の視聴者に認知拡大できる点は大きなメリットです。コロナ禍でのイベント開催に悩む企業が多いなか、ライブ配信の可能性は今後さらに高まると思っています。
今後ライブ配信は欠かせないコミュニケーションとなっていくでしょう。ファンとのコミュニケーションだけでなくマーケティングの新しいあり方として、PopteenでもTig LIVEを積極的に活用していきたいと思います。
Popteen(ポップティーン)とは? 創刊から40年以上に渡り「月刊Popteen」としてティーンカルチャーを牽引し、今も芸能界で活躍する実力派モデル達を多数輩出。2023年2月1日よりデジタルをメインとする新形態メディア「Popteen media」へと転換した。 |