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「Tig LIVE」をはじめとしたTigシリーズを展開する「パロニム」では、プラットフォーム・サービスの提供だけでなく、さまざまな業界・業種のライブコマースのお手伝いもしています。
そんななかで、みなさんから「ライブコマースで成果を出すためには?」と尋ねられることが増えてきました。
ここではそんな質問へのアンサーになるよう、ライブコマース運用支援で培った知見から4つのテーマに分けてライブコマースを成功に導くアイディアをお届けします。
- ライブコマースの定義
- ライブコマースを成功させるための考え方
- コマーサーという考え方、あり方
- ライブコマースのフレームワーク
初回は「ライブコマースの定義」についてお話しします。
ライブコマースがどのようなものなのか体系的に知ることで、その後の流れがスムーズに理解できます。ぜひこちらを参考にして、ライブコマースを成功させてください。
INDEX
企業が実施するべきライブコマースとは。マーケティング視点を持つことが重要

企業が実施するライブコマースで最も意識すべきこととはなんでしょうか?それは間違いなく中長期でのマーケティング視点を持つことです。
そしてもうひとつ意識してもらいことが「ライブコマースを実施すれば商品が売れるようになる」といった淡い期待をしないことです。
冒頭から厳しい表現ですが、ライブコマースを実施したからといってすぐに売上に反映されるわけではありません。腰を据えて数をこなしていくことで徐々に成果が実感できるものという考えが現実的です。
- 視聴者をどのように連れてくるかを考えるカスタマージャーニー
- どのように話すと売れていくのか考える番組企画
- 再来訪してもらい話題化するためのコミュニティづくり
こういったことを含めてしっかり設計/計画できていることが重要で、そうでなければ単純に売れる/売れないだけの議論に陥ってしまい建設的ではありません。
また、商品の販売数に着目するよりも、ライブコマース全体を戦略的に設計することが肝心です。実施する目的や自社に適したスタイルを定めることで方向性が明確になり、効果を高めやすくなります。中長期でのマーケティング視点が必要になってくる理由が何となく掴めたでしょうか?
ライブコマース3つのスタイル

ライブコマースにはおもに下記3つのスタイルがあります。
それぞれの特徴を知っておくことがライブコマースの成功には大切です。
- ブランドコマース
- ファンコマース
- せどりコマース
これらの違いをわかりやすく解説します。
【スタイル1】ブランドコマース
ユーザー・視聴者との接点づくりに注力するスタイルが、ブランドコマースです。
「企業・ブランドの価値をどのように消費者に届けて、売上につなげるか」という、企業が目指すべきライブコマースのあり方です。
ブランドコマースではEC・店舗・ライブコマースなど、あらゆる点で顧客と接点を持つことが優先事項です。
▼ブランドコマースに取り組んでいる企業の例
- ユニクロ
- アットコスメ
- ファンケル
- ニトリ
ブランドコマースは、顧客とのコミュニケーションを深めファン化させる、いわゆるファンコミュニケーションを確立していく上で特に重要なスタイルです。自社のブランドや商品への理解を深めてもらうために、ぜひ取り入れましょう。
【スタイル2】ファンコマース
インフルエンサーやタレントをコマーサーとして起用するスタイルがファンコマースです。商品そのものの魅力よりも、コマーサーの人気や魅力で販売につなげます。
ファンコマースを実施することで、瞬間的に売上を向上させることが可能です。特にインフルエンサーやタレントのファンが「推しが紹介していたから」と、商品を購入する傾向にあります。
しかし顧客はコマーサーに惹かれて商品を買うため、中長期的な売上につなげたいときには向いていません。
【スタイル3】せどりコマース
商品を安く仕入れたうえで配信し多くの商品を販売するスタイルがせどりコマースです。
ブランドや商品の認知度を向上させるためではなく、より高い利益を上げるためにおこないます。投げ銭型のライブコマースも、せどりコマースのひとつです。
ブランドコマースと違って顧客に企業や商品への理解を促さないので、われわれが考える理想のライブコマースではないと考えています。
ライブコマースを成功に導く3要素

ライブコマースを成功に導くには、下記3つの要素が重要です。
- ECが順調でしっかり機能していること
- プロダクト愛を持っていること
- 長期的な視点で取り組む体制を作れること
もともと自社のECが順調で、長期的な視点でライブコマースに注力できる体制を作ることが重要です。
【要素1】ECが順調であること
まず欠かせないのは「ECが順調であること」です。
EC上で購入に至る導線などに問題がある場合は、いくらライブコマースに注力しても売上につながりません。
たとえば下記のケースです。
▼ECに問題があるケースの例
- 商品画像が見にくく、細かい特徴や使用イメージがわかない
- アカウント登録時に入力項目が多く、購入直前に離脱される
ライブコマースはECの売上を補完するものではなく、あくまでも「新しい顧客体験」と考えて取り組むことをおすすめします。
【要素2】プロダクト愛を持っていること
プロダクト愛を持っていることも、ライブコマースで成功する企業の特徴です。商品に対してこぼれ落ちるほどの愛があれば、結果的に視聴者にとって楽しいライブコマースになります。
そんなプロダクト愛がある企業の一例は、下記のとおりです。
▼プロダクト愛がある企業の例
- 商品のメリット・デメリットを含めて熱く語れる人がいる
- 開発時のこだわりなどエピソードが豊富にある
ただしどんなに企業にプロダクト愛があっても、適任のコマーサーがいなければ視聴者に熱意を伝えられません。
どのような質問がきても答えられるような深い知識と、熱量をもって話せる愛あるコマーサーを育成することが重要です。
【要素3】長期的な視点で取り組む体制を作れること
3つ目の特徴は、ライブコマースを継続して実施するために、長期的な視点で取り組む体制を作れる企業です。
ライブコマースは1回おこなうだけで結果が出るものではありません。顧客接点などライブコマースの目的を探るためには、10~20回ほど継続して取り組む姿勢が必要です。
毎回のようにプロコマーサーを起用していたらコストが増大するため、社内でライブコマースの担当チームを立ち上げましょう。たとえば、下記のポイントを押さえて体制を構築するのがおすすめです。
▼ライブコマースのチームを作るときのポイント
- チーム内でローテーションやシフトを組む
- 配信日や登場するコマーサーを明記したカレンダーを設置する
複数人でライブコマースを回して、視聴者とのコミュニケーションや商品の見せ方を学び、知見を深めていきましょう。
まとめ:マーケティング視点で目的を明確にし自社に合った配信をしよう

ライブコマースとは、SNSやインターネット上で商品を紹介し、購入につなげる販売手法とも言い換えられます。コミュニティを形成することが重要で、大前提として中長期的に取り組む必要があります。
とはいえ自社のECサイトから商品が売れていないのならば、ライブコマースで売上につながる可能性は低いです。まずはECの改善から始めることもひとつの手です。
ライブコマースを実施するときは、取り扱う商品に愛情や思い入れが強く知識や経験が豊富なコマーサーを起用することが重要です。継続的に実施できる、ライブコマース専用のチームを構築していきましょう。
さて、いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、われわれが考える「ライブコマースの定義」について3つのスタイルと3つの成功要素をお届けいたしました。
次回は「ライブコマースを成功させるための考え方」についてお届けいたします。
ぜひご覧ください。
編著:Tigライブコマースラボ
Tigライブコマースラボとは パロニム・カスタマーサクセス部門および社内外の有識者を交え「ライブコマースのあり方」を研究しベストプラクティスを生み出すプロジェクト。 |