動画マーケティングとは、映像コンテンツを使って商品やサービスについて発信し、集客・宣伝活動をおこなうマーケティング手法のことです。動画マーケティングに取り組めば、企業のブランディングや商品・サービスの認知拡大を期待できます。
しかし、やみくもに動画をつくるだけでは期待した効果が得られないため、動画マーケティングの特徴や主な手法について正しく理解することが大切です。
本記事では、
- 動画マーケティングの特徴
- 動画マーケティングが注目されている理由
- 動画マーケティングの活用シーンと成功事例
- 動画マーケティングの主な手法5つ
- 動画マーケティングのメリット・デメリット
- 動画マーケティング戦略を成功させる4つのポイント
などをお伝えします。
INDEX
動画マーケティングとは

動画マーケティングとは、動画を用いて商品やサービスなどについて発信し、集客・宣伝活動・販売戦略をおこなうことです。商品・サービスの認知度向上やブランディングから、購入や申し込みといったコンバージョン発生までを指します。
動画とはいえ、あくまでマーケティング手法のひとつです。ただ動画をつくるだけではなく、適切なKPI(重要業績評価指標)を定めて効果測定をおこなうことが大切です。
動画マーケティングが注目されている理由

動画マーケティングが注目されている主な理由として、次のようなものが挙げられます。
- SNSや動画配信プラットフォームが普及した
- インターネット環境やソフトウェアが整備された
- スマートフォンの普及で簡単に情報の発信・受信ができるようになった
- コロナ禍で動画コンテンツを視聴する人が増えた
「YouTube」や「TikTok」などのSNSや動画配信プラットフォームが普及したことにより、個人でも手軽に情報を発信できるようになりました。さらに、Wi-Fiをはじめとした通信インフラも整備され、動画利用が大きく拡大したことも動画マーケティングが注目を集めている一因です。
また5G環境が本格的にスタートし、ライブ配信でのタイムラグはさらになくなりました。これにより、高画質のライブストリーミングも円滑に実施できるようになっています。
株式会社サイバーエージェントが発表した「動画広告市場規模推計・予測」を見てみると、国内の動画広告市場は右肩上がりに伸びていることがわかりました。
企業ブランディングや売上拡大にもつながる「動画マーケティング」は、今後ますます注目を集める存在と言えます。
動画マーケティングの活用シーンを5つの成功事例とともに紹介

ここで、動画マーケティングの活用シーンを5つの成功事例とともに紹介します。
- 商品・サービスの認知拡大
- ブランディング
- 購買意欲の向上①
- 購買意欲の向上②
- LTV(顧客生涯価値)の向上
「どのように動画マーケティングを活用していけばよいのか」知りたい方もイメージしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
【成功事例1】商品・サービスの認知拡大
ASICSがおこなった、新商品発表会を兼ねたライブコマースの事例です。同社はライブコマースへの集客を強化するため、まずSNSでの情報拡散に力を入れます。
その後、SNSからLIVE視聴のiframe(HTMLタグ)が埋め込まれた特設サイトに誘導したところ、継続的に視聴が発生。約45分配信されたライブコマースでは、平日の店舗売上1日分を上回る売上を達成し、大きな成果を上げました。
このように、短時間で多くの情報を届けられる動画は「商品・サービスの認知拡大」に効果があります。株式会社アシックス様のライブコマース事例については、下記記事で紹介していますのでご参照ください。
参考:【Tig LIVE事例紹介】ASICSが、たった45分のライブコマースで、店舗1日相当分の売上を達成!!
なお、拡散されるような動画を制作するには「ある特徴」を知ることが重要です。以下の記事では、バズる動画に見られる6つの共通点や成功事例を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
【成功事例2】ブランディング
続いて、「PEUGEOT 目黒」ならびに「DS STORE 東京」が導入した“Tigデジタルショールーム動画”の事例を紹介します。
“Tigデジタルショールーム動画”は、動画内に多様性(製品詳細・カタログ請求・来店予約など)を持ったタッチポイントを設置できる点が特徴です。視聴者が動画内の気になる箇所をタッチすることで、検索しなくても遷移先のページへとジャンプできる仕様になっています。
動画から試乗予約や資料請求などへとシームレスに遷移できるため、顧客が店舗に通わずとも動画内でCTA(行動喚起)につなげることが可能です。動画では、音楽にあわせて「PEUGEOT 目黒」に展示されてある車が次から次へと映し出され、展示車に興味を持った視聴者は営業マンによる解説動画も視聴できます。
このように、視覚・聴覚に訴えかけ、記憶に残りやすい動画は、企業ブランディングにも効果的です。なお、ブランディングにつながる動画の活用方法に関しては、下記記事で解説してありますのでご参照ください。
【成功事例3】購買意欲の向上①
3つ目に紹介するのは、「LaLaport CLOSET」のライブ配信事例です。「LaLaport CLOSET」とは、ららぽーと公式通販サイト「&mall」のショールーミングスペースのことです。
このライブ配信には、人気スタイリストの小山田早織さんが出演。当日は、ショップをまたいでまとめて試着できる「LaLaport CLOSET」から、注目ブランドのアイテムを視聴者のコメントにあわせてアドリブで紹介していきました。
ただ動画を一方的に流すだけではなく、利用者の声や活用シーンなどを紹介することで「消費者の購買意欲」を高められます。
このように、最近ではライブコマースに力を入れる企業も増えてきました。ライブコマースは、リアルタイムでサイズ感や素材感を伝えられ、購買意欲を維持したまま購入につなげられる点が大きなメリットです。ライブコマースの仕組みやメリット・デメリットに関しては、下記記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
【成功事例4】購買意欲の向上②
続いて、SNSでの投稿に動画を活用した事例を紹介します。ベネッセコーポレーションが運営する情報メディア『たまひよ』は、公式Twitter内で「妊婦さんに嬉しいグッズ」を紹介する際に動画を活用しました。
動画を活用することで、グッズの利用シーンが視覚的にイメージしやすくなっています。
さらに、動画内に任意のタッチポイントを設置できる「Tig動画」を採用することで、気になったアイテムのページにそのまま遷移できる導線も確保。動画を見ながら気軽に「おうちショッピング」ができる仕掛けになっています。
【成功事例5】LTV(顧客生涯価値)の向上
5つ目は、ペルノ・リカール・ジャパンがライブ配信した事例です。
本事例では、公式ワインアンバサダーがワインに合う食事を紹介しながら、ユーザーの疑問や悩みにもリアルタイムで回答していきました。既存ユーザーへ動画を活用してサポートすることで、ユーザーに継続的にサービスを利用してもらえるようになり、LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。
このように、動画マーケティングは既存ユーザーに対しても有効です。なお、動画を活用する効果と事例に関しては、下記記事でも紹介していますのでご参照ください。
動画マーケティングの主な手法5つ

動画マーケティングの手法には、大きく分けて次の5つがあります。
- 動画広告を出稿する
- 企業サイトやLPに動画を埋め込む
- 企業のSNSアカウントで発信する
- メルマガに動画を埋め込む
- オフラインで広告出稿する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【手法1】動画広告を出稿する
認知獲得の効果を期待できるのが、動画広告の出稿です。動画広告の出稿先には、YouTubeやTwitter・Instagramなどさまざまな種類があります。下記のとおり、SNSは「よく利用する世代」が明確に分かれていることが特徴です。
20〜30代 | |
10〜20代 | |
30〜40代 | |
TikTok | 10〜20代 |
LINE | 全世代 |
また、どのSNSに動画広告を出稿するかで「適切な動画の長さ」は異なるため、出稿先によって使い分けることが大切です。動画広告の種類や媒体ごとの特徴は、次の記事で紹介していますのでチェックしてみてください。
【手法2】企業サイトやLPに動画を埋め込む
2つ目の手法は、企業サイトやLP(ランディングページ)に動画を埋め込む手法です。
企業サイトやLPは、ユーザーが能動的にページへ訪問していることが特徴です。したがって、ユーザーが求めている情報を提供することで、動画の効果を高めやすくなります。
【手法3】企業のSNSアカウントで発信する
3つ目は、企業のSNSアカウントで発信する手法です。ここでは「TikTok広告」と「YouTubeマーケティング」について軽く紹介します。
TikTok広告とは、その名のとおりショート動画SNS・TikTok上で配信される広告のことです。9〜15秒の短い動画が効果的とされており、特に最初の3秒以内に商品を紹介することが成果を上げるコツと言われています。TikTok広告の特徴や始め方に関しては、下記記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
YouTubeマーケティングは、YouTubeを活用したマーケティング手法のことです。世界中で幅広い年齢層が利用しているため、YouTube上に動画を出すことで多くのユーザーへ情報を届けられます。
ただし、YouTubeマーケティングは「撮影」や「編集」「サムネイル画像の作成」など、動画制作にコストと時間がかかる点がデメリットです。まずは動画を制作する体制をしっかり整えてから、YouTubeマーケティングを始めるようにしましょう。
YouTubeマーケティングの活用方法やメリット・デメリットを知りたい方は、下記記事をご一読ください。
ここまで紹介してきたように、SNSアカウントで発信して拡散されれば、多くの人に動画コンテンツを届けることが可能です。また、より高い拡散性を求めるならば、インフルエンサーを活用するのもひとつの手です。
下記記事では、おすすめのインフルエンサーやインフルエンサーマーケティングを依頼できる企業を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
【手法4】メルマガに動画を埋め込む
すでにメルマガに登録しているユーザーとのコミュニケーション手法としても、動画を活用できます。
たとえば、自社サービスの活用方法をメルマガで紹介するとしましょう。このとき、テキストで紹介するよりも動画にすることでより強いインパクトを与えられ、メルマガ登録者の興味関心を高める効果が得られます。
また、細かなニュアンスも伝えられることからサービスの特徴をイメージしやすくなり、CV(コンバージョン)率の向上も期待できます。
【手法5】オフラインで広告出稿する
動画マーケティングが活かされるのは、オンラインだけではありません。タクシーの車内広告や駅構内の柱に使われる広告など、オフラインの場でも動画広告は出稿されています。
たとえば、ディスプレイを電子化した「デジタルサイネージ」で動画を配信することで動きがあって目に留まりやすいなど、オフラインでも効果が得られます。
動画マーケティングの3つのメリット

動画マーケティングの主なメリットは、次の3つです。
▼動画マーケティングの3つのメリット
- 短時間で多くの情報を届けられる
- SNSでの拡散を期待できる
- 複数の指標で効果測定しやすい
情報の届けやすさやSNSでの拡散性もさることながら、複数の指標で効果測定しやすい点も動画マーケティングのメリットです。効果測定の効果を最大限に高めるためにも、動画マーケティングの目的を明確にし、適切なKPI(指標)を設定することが重要です。
動画マーケティングで設定されやすいKPIとしては、次のようなものが挙げられます。
- 視聴回数
- 再生時間
- 完全視聴率
- クリック数
- コンバージョン数
- ブランド認知率
- ユニークユーザー数
効果測定をおこなうことで、動画のどの部分で離脱されているかなどの分析もできるため、改善がしやすくなります。下記記事では、効果測定でよく使われる指標やおすすめのツールを紹介していますのでご参照ください。
動画マーケティングの3つのデメリット

動画マーケティングにおける主なデメリットは、次の3つです。
▼動画マーケティングの3つのデメリット
- 制作時間とコストがかかる
- ノウハウがないとハードルが高く感じやすい
- 工夫をしないと一方的に進む
たとえばWeb記事の場合、「目次」や「関連記事」などをたどることで、ユーザーが自ら情報を取りにいけます。しかし、動画の場合は一方的に進むものが多いため、視聴者が能動的に情報を取ることが困難です。
そこで近年注目されているのが、ユーザーが動画を見ながら参加できる「インタラクティブ動画」です。インタラクティブ動画なら、双方向でユーザーとやり取りができるため、動画のデメリットを解消できます。
たとえばパロニム株式会社の『Tig』は、動画にタッチポイントを設定したり、ポップアップを表示させたりすることが可能な「次世代型インタラクティブ動画ソリューション」です。視聴者は気になる情報を自らキャッチでき、企業としては商品・サービスの詳細ページへ円滑に誘導することが可能です。
効果測定も実施できる『Tig』では、「タップ」「ストック」「ジャンプ」の各アクションを指標として、通常の動画と比べて「さわれる」ことが視聴完了率に大きく寄与するという検証結果も出しています。
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動画マーケティング戦略を成功させる4つのポイント

最後に、動画マーケティング戦略を成功させるための重要なポイントを4つお伝えします。
▼動画マーケティング戦略を成功させる4つのポイント
- 目的・ターゲットを明確にする
- 適した媒体を選ぶ
- 目的にあった制作会社を選ぶ
- KPIを定めて効果測定をおこなう
なにも考えずにただ動画をつくっただけでは、思うようにターゲットには刺さりません。なにを目的にするかによって動画の内容も大きく変わってきます。したがって、動画マーケティングに取り組む際は目的やターゲットを明確にすることが大切です。
また、定めた目的によって選ぶべき制作会社は異なります。なぜなら、制作会社によって得意分野が異なるからです。複数の制作会社を比較し、自社の目的にあった制作会社を選ぶようにしましょう。その際、制作実績が豊富な制作会社に依頼するのがおすすめです。
まとめ:動画マーケティングを理解して業績アップにつなげよう

本記事では、動画マーケティングの成功事例や主な手法などを紹介しました。動画マーケティングに取り組む際は、KPIを設定して効果測定をおこなうことで、売上アップにつなげやすくなります。PDCAを回しつつ、ターゲットに刺さる動画を制作しましょう。
なお、動画制作だけではなく、詳細な視聴データを取得するなら次世代型インタラクティブ動画ソリューション『Tig』の活用がおすすめです。『Tig』では50種類以上の視聴ログを取得でき、動画施策の定量評価が可能になります。
決済完了までのコンバージョンの取得もできるため、購買前から購買後の態度変容を捉えて紹介する商品と映像の改善に活かせます。サービス開始から3年半で約2,200本超の導入実績がある『Tig』に関して、詳しく知りたい方は下記のボタンから気軽にお問い合わせください!